光回線(v6プラス前提)の性能に関するメモ

導入に関するメモは

ここにあるのね〜 soluna-eureka.hatenablog.com

基本的な考え方

通信経路の一部分だけが最高速度を出せても他の部分にボトルネックがある限りは無駄である,インターネット上のサービスは通信経路上の最低速度に合わせてデータをやり取りする(もちろんサービスを提供する側のサーバの性能が悪いのもダメだが)

手元の設備にフォーカス

パソコンやスマホのインターフェース

RAMやSSDの性能

だってデータをDLしても手元に上手く落とせなきゃまず意味がない,RAMやSSDへの書き込み速度はどれくらいかチェックだ

有線接続

Ethernetでどこまでの速度に対応している?最大で1Gbpsの光回線なら1Gbpsに対応しているLANポートが必要だ,PCクラスタとプライベートネットワークを作ってデータを転送したいなら10Gbpsに対応しているのもいいらしい
前者は1000 BASE-T(上下どちらか1Gまで)もしくは1000 BASE-TX(上下同時に1Gまで),後者は10G BASE-T(上下どちらか10Gまで)と呼ばれるらしい,俗に言うギガビットEthernetと10ギガビットEthernet,なお10G BASE-TXは有線でみたことがない

無線接続

IEEE 802.11のどこまで対応している?1Gbps出るならせめてacは欲しい
将来を見据えるか余力を持った性能が欲しいならそろそろaxに対応しても良さそう

いい場所に置いてる?

LANソケットやルータから無駄に離れたり他の電子機器がそばにあったりすると,エラー率が上がるので速度も出なくなるぞ

屋内の周辺機器

任意のコネクタや変換器

最低でも1000 BASE-Tは欲しい,屋内で1000 BASE-TXやそれ以上をやりたいならそれに対応するものを選ぼう

有線LANのケーブル

下で1Gbpsを出したいなら最低でもcat5eかcat6,混雑する経路や長い経路もしくは上下同時に1Gbpsを使う必要がある場合はcat6が良い,それ以上を目指すなら10Gbpsに対応するcat6a(たまにcat6eと書かれる場合がある)を選ぼう
cat7以上の規格のものは市販品では使えない,これ以上はもう完全に産業用の何からしい,コネクタがcat5系列やcat6系列とは厳密には異なるので性能が発揮できない(互換性はあるのでコネクタの見た目さえ合えば取り敢えずは動くらしいんだが)

家の中に既にLANケーブルが埋まって存在している場合,その規格は差込口に書いてある場合が多い,もし書かれてなかったら自分で実験して確かめてみるべき

ルータ

Wi-fiに対応するなら無線LANとして802.11acか802.11axが欲しい
なおかつ有線の接続で1000 BASE-Tや1000 BASE-TXもしくはそれ以上に対応しているもの選ぼう

分配器,ハブ,アクセスポイント等

ルータ機能がないものでも,概ね上と同じ考え方ができる
ただしルーター機能の有無が転送速度に影響する可能性はある,なるべくシンプルな構成にしよう

家庭向けONU+HGW

注意 ONUとHGWが別々だったり一体だったりするので気をつけよう

1Gbpsまでの回線

光ファイバ(LINE)側について

上下ともに1GbpsでONUに到達する
…とは言うが,一応は光ファイバーの性能と光ネットワークの規格にも依存するらしい,まぁ業者が施工するなら間違いはないだろうし,ぶっちゃけ規格として1Gbpsが出せないというのはまずありえない
つまり少なくとも光回線なら最低でも上下1Gbpsを出せる用意ができていると考えても良い

ONUとHGWの間(WAN)について

一体化しているのであれば別に気にしなくても良いが,別々の場合はそれを結ぶコードについて有線の規格に気をつけなければいけない,流石に公式から提供されるセットに入っているものなら不足はないと思いたいが…
一般にONUだけでは(自力でHGWを作らない限り)光回線を利用できない,インターネットの認証とかは大方HGWの役目でONUはそれを有線の通信に変換しているだけらしい

HGWよりも内(LAN)側

ポートが複数あるケースがほとんど,新しいものは各ポートごとに片道1Gbpsで通信する1000 BASE-T規格に対応している
非NTTだと1000 BASE-TXに対応しているものもあるっぽい,ちゃんと使えるかを事前にNTTに問い合わせた方が良さそう
対外的な通信は光回線の容量の限界があるため,全てのポートを合計して上下1Gbps(1ポートだけ使う場合は片道1Gbps)という制限がある
光回線の認証および接続に加えて家庭内で使えるルーターとしての機能も持っているが,そっちの性能がどの程度のものなのかは取説になかった,気になるなら実験してみよう
もしONUとHGWが一体化しているのであれば,これらを一体で担うことになる

NURO光 2G

※実際に使っている知人に取材した

光ファイバ(LINE)側について

上り1Gbps下り2Gbpsで到達する
上に示した1Gbps回線とは光ネットワークの規格が異なるため,下りで2Gbpsを達成している,そのために専用回線の導通工事が必要になる…が,既に光回線の用意があるならONUを変えるだけで済む場合がある(集合住宅とか)し,もしくは近隣の住民と一緒に新規契約するなら光回線の設置工事も安心して受けられるだろう(担当者がまともなら)

ONUとHGWの間(WAN)について

なんか一体化しているものしかないらしい,以上

HGWよりも内(LAN)側

ポートは複数ある場合がほとんどだが,各ポートごとにどれも片道1Gbpsで通信する1000BASE-T規格に対応している,一方で1000 BASE-TX対応の機種は公式サイトを眺めた限りでは見つからなかった
その上で端末をいくつか繋げて同時にダウンロードしても合計で2Gbpsまで許容されるので下りの速度に差が出る,そもそもNURO光ISPとセットの契約である上にISPとしても優秀なので素で早いと言えるでもお前こないだ障害起こしてたじゃん

それ以上の回線

受動光ネットワーク(PON)には経路上のシステムとして規格と対応できる帯域が定めらており,5ギガビットや10ギガビットには高い規格が要求されるほか,対応した専用のONUISPを利用しなければならず,まずサービス提供エリアも限られる上に料金も高くなる
その上で前述した通りに屋内の設備を整えないと宝の持ち腐れであり,同時に帯域を使い切らないと本当にもったいないので,ぶっちゃけ1Gbpsもあれば普通の人は大丈夫だと思う,NURO光 2Gはコスパが良いと聞くがどうだろうか
ただ有線テレビ放送に受動光ネットワークを介して行われる方向性が見られたり,基地局側の機器の性能も進化し続けている,いよいよ10Gbps時代が到来するかもしれない…

ONUとHGWについて

見た感じだと次世代の高速光回線ONUとHGWが別々になっている
HGWの方は取説が公開されているが,ONUの方は取説が公開されていない,情報求む

光ファイバについて

情報求む
10G回線に限らず1G回線でも実際のケーブルに関する情報が不足している,どれもシングルモードなのはNTTの資料からわかるんだけど,どの速度でもどの距離でも一緒なのかどうかが気になる… www.ntt-east.co.jp

それ以外

家庭向けじゃない…なら業者の方ですか?
帯域保証回線ってクソ高いんですねあれ…

奥手の設備にフォーカス

光ファイバなど

光ファイバそのもの

光ファイバそのものに通信速度の上限は存在しないとされている
ただし品質が低かったり(反射率が悪い,無駄に長い)劣化したり(虫に食われる,鼠に食われる,踏んで折れる)するとダメなので,通信速度を上げたり以上があったりする場合はにファイバが対応できているかをチェックする必要はある
一応は光ファイバの品物そのものにも推奨距離や対応規格はあるものの,実際に業者にチェックしてもらうのがベスト

中継機,増幅器,分岐器,等々

基地局設備

参考

cat規格(有線LAN)まとめ

※通信規格名はあくまでEthernet/IP全体に対するものであり,有線LANに限らず光ファイバにも使われる
※xxBASE-Tだと有線LAN,xxBASE-(S|L|Z)(+1文字)だと光ファイバ…になるらしい,距離と波長は共にS<L<Zになるっぽいね

規格名 通信規格名 最大帯域 動作可能周波数(最大帯域時) 動作可能距離(最大帯域時) 備考
cat1 なし ? 1MHz ? 正式な規格ではないらしい ,というか電話回線用だった
cat2 なし 4Mbps 4MHz ? 正式な規格ではないらしい ,が割と使われていた
cat3 10BASE-T, 100BASEVG, 100BASE-T4 10Mbps 16MHz わからん もう古い,ボロいLANケーブルはだいたいコレか?
cat4 10BASE-T, 100BASE-T4 10Mbps 20MHz わからん もう古い,直後にcat5が出てきてすぐに使われなくなった?
cat5 10BASE-T, 100BASE-TX (Fast Ethernet), 1000BASE-T (Gigabit Ethernet) 100Mbps 100MHz なし 一般的な最大帯域よりも上の帯域で動作させる仕様(通信規格)があるにはあるらしい,しかし市販品では見たことがない
cat5e 10BASE-T, 100BASE-TX (Fast Ethernet), 1000BASE-T (Gigabit Ethernet), 2.5GBASE-T, 5GBASE-T 1Gbps 100MHz 100m いまどきのカテゴリー5ケーブルはこれを意味する,市販品でも1Gbpsはほぼ確実に出る,ただし長さは100mまでなので注意
cat6 10BASE-T, 100BASE-TX (Fast Ethernet), 1000BASE-T (Gigabit Ethernet), 1000BASE-TX, 2.5GBASE-T, 5GBASE-T, 10GBASE-T 1Gbps 250MHz なし cat5eよりもノイズ耐性がある…一応10Gbps通信もできるが,1本だけなら55m・複数本を一緒に置くと37mまで?
cat6A (or cat6e) 10BASE-T, 100BASE-TX (Fast Ethernet), 1000BASE-T (Gigabit Ethernet), 1000BASE-TX, 2.5GBASE-T, 5GBASE-T, 10GBASE-T 10Gbps 500MHz 100m cat6よりもノイズ耐性があり,事実上の10Gbps通信の正式対応版,ちなみに1000BASE-TXは1000BASE-Tの上位互換で完全二重通信(上下1Gbps)がサポートされるので,上下で1Gbpsを同時に出したかったらcat6以上が必要
cat7 ?(下位互換はあるらしい) ? 600MHz ?(10Gbpsで100m以上は出るらしい) 資料が少ないし未認定らしいしわからん…
cat7a ?(下位互換はあるらしい)(40GBASE-Tや100GBASE-Tを目指していた計画がなくなったらしいな) ? 1000MHz ? 同上
cat8 ?(完全下位互換or7Aのみ互換で未定?) ? 2000MHz 30m~36m(想定されるユースケースは限定されているらしい) 同上

以上をまとめると,

  • cat5e以上は最低条件
  • cat6が望ましい
  • cat6Aは1Gbpsを超える回線で使いたい

wi-fi規格(無線LAN)まとめ

追記します

PON規格まとめ

Ethernetの通信規格から外れるものがある,伝送フレームが異なる
ITUIEEEで分かれている,EthernetIEEEでそれ以外はITU
※波長の予約が大変なのはわかったのだが,ここではその記載は省く

規格名 定義名 伝送フレーム名 最大帯域 最大動作距離 最大分岐数 採用例 備考
GE-PON IEEE 802.3ah Ethernet ↑1.25Gbps,↓1.25Gbps 20km 32 フレッツ 光ネクスト,Yahoo! BB光KDDI 光プラス ホーム,eo 光ネット,4G携帯基地局バック回線 日本というかアジアで標準として使っているらしい
G-PON ITU G.984 GEM・ATM/GTC ↑1.25Gbps,↓2.5Gbps 60km 254 NURO光 2G 欧州的はこっちが標準らしい
XG-PON ITU G.987 XGEM/XGTC ↑2.5Gbps↓10Gbps 60km 64 NURO光 10G
XGS-PON ITU G.9807.1 XGEM/XGTC ↑10Gbps↓10Gbps 20km 64 NURO光 6Gs,同10Gs
10G-EPON IEEE 802.3av Ethernet ↑10Gbps↓10Gbps 20km 64 フレッツ 光クロス(10Gbps対応),auひかり ホーム 10ギガ
NG-PON2 ITU G.989 XGEM/XGTC ↑40Gbps↓40Gbps 40km 256 4つの波長の光を合成して使うと10Gbps×4=40Gbps相当の帯域が得られる,ここまでは1つの波長で10Gbpsが限界
NG-PON2+ ITU G.989 XGEM/XGTC ↑25Gbps↓100Gbps 40km 256 5G携帯基地局バック回線 下りのみで25Gbps×4=100Gbpsを実現,上りは25Gbps×1=25Gbps…まぁスマホ相手だしONU基地局だしで足りそうな気もする
50G-EPON(旧:100G-EPON) IEEE 802.3ca Ethernet ↑50Gbps↓50Gbps 20km 32 光ファイバ1本で上下100Gbpsするより上下50Gbpsを2つ実装した方が良いという判断,それぞれ25Gbps×2=50Gbpsと2波長で合成

※NG-PON2下位規格と下位互換が設けられている

以上をまとめると,

  • 現在は最低でも光ファイバ1本に上下それぞれ1波長を割り当てることで共に1Gbpsは確保できている,これが大抵の光コラボレーション回線(GE-PON)
    • 各戸で1本ずつ使っている…と思われるが,実際はスプリッタとかで共有している場合がほとんど
      • 最悪の場合で4(局内)×8(局外)=32本に分岐できるので,酷いと32Mbpsしか出ない
      • つまり「概ね1Gbps」は知識がない限りは見抜けない詐欺紛いの誇大広告,ベストエフォート値を「概ね」と誤魔化つつ公称値にするなんて絶対にいけない(改革派),いやよく考えたら共有ユーザー数に関わらず(というかそれすら教えられず)(時間平均値も事前にわからず)全ユーザーで一律に契約して料金を取るのはかなり詐欺に近い
      • PPPoEの網終端装置の増設もしないし(これはIPoEを実装してだいぶマシになったからまだヨシとはできるけど)
    • これを大量に束ねて入口であるNTT局のOLTにぶち込んでNGNEthernet/IP網に流し込んでいる
  • NURO光光ファイバ1本で下り2Gbpsを達成している(G-PON)
    • こちらもスプリッタで共有して契約する場合がほとんどだが…
      • NURO光自身が光ファイバをまるごと所有してG-PON対応のOLTに突っ込んで動かしている
      • 加えてそこまでユーザーが密集していない,つまり32本に分岐することがまずあり得ない(ただし加入者が少ないすぎると料金も割高になるが)
    • OLTから先もNGN網とは異なる独自の回線を経由している
      • 当然ISPとしても優秀なのでその先でも混雑しない
  • その他にも独自の光ファイバと専用回線を所有する業者はある,みんな頑張れ!
  • 地域や場所にもよるが,最近(つってもNTT自身の商用化は去年から)はNTTが10G-EPONに手を付け出してたり,OLTの性能は確実に向上してきている
    • NGN網へ流せる光ファイバの本数が増えたため,局内スプリッタが減らされている可能性がある(ONUあたりの通信速度は4倍になる)
    • あと「最近になってできた『ケチってない』市街地やマンション」はマシかもしれない,最初から1Gbps回線を見込んで局外でそこまでスプリットしていない可能性がある
      • それでも光コラボ回線なら諸要因を含めて平均で300Mbpsくらいか?(みんそくを見ながら)
    • 実はNTTはここ最近までNGN網を建設するのに全力で投資したために労力も財布もすっからかんになって,回線速度の向上なんかできねぇという状況だったのでは…?
  • 将来的にはNG-PON2と10G-EPONで10Gbps回線が増えるとは思う,一般に普及はしないだろうけど(ぶっちゃけ過剰すぎ)